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ハンドブック:Alpha/インストール/カーネル

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カーネルソースのインストール

すべてのディストリビューションが構築されるその中心にあるのがLinuxカーネルです。カーネルレイヤーはユーザープログラムとハードウェアの間に存在します。Gentooではカーネルソースについて複数の選択肢があります。説明付きのすべてのカーネルソースのリストは、Kernel overview pageで見ることができます。

alphaベースのシステムのために、Gentooは sys-kernel/gentoo-sourcesパッケージを推奨しています。

適切なカーネルソースを選択して、emergeでインストールします。

root #emerge --ask sys-kernel/gentoo-sources

このコマンドはカーネルソースを/usr/src/にインストールします。このディレクトリにあるlinuxがインストールされたカーネルソースへのシンボリックリンクとなります。

root #ls -l /usr/src/linux
lrwxrwxrwx    1 root   root    12 Oct 13 11:04 /usr/src/linux -> linux-3.16.5-gentoo

これで、カーネルソースを設定、コンパイルする準備が整いました。この設定およびコンパイルには二つのアプローチがあります。

  1. カーネルをマニュアルで設定およびビルドする。
  2. Linuxカーネルを自動的にビルド・インストールするgenkernelを使用する。

ここでは、環境を最適化するのに最も適した"マニュアル設定"をデフォルトとして説明します。

デフォルト: マニュアル設定

はじめに

カーネルのマニュアル設定は、しばしばLinuxユーザーがしなければならない最も難しい手続きと考えられます。これは真実ではありません。カーネルを数回設定してみれば、それが難しいと言われていたことなど忘れてしまうでしょう。

しかし、一つだけ真実があります。カーネルをマニュアルで設定する時、ハードウェア情報を知ることはとても役に立ちます。ほとんどの情報は、lspciコマンドを含むsys-apps/pciutilsをインストールすることで得られます。

root #emerge --ask sys-apps/pciutils
注意
chroot環境では、lspciが出力していると思われる(pcilib: cannot open /sys/bus/pci/devicesのような)pcilibの警告は、無視しても構いません。

システム情報を得るための別の方法は、lsmodを使ってインストールCDが使っているカーネルモジュールを把握することです。その情報は何を有効にすべきかとてもよいヒントを与えてくれるでしょう。

では、カーネルソースがあるディレクトリに移動して、make menuconfigを実行しましょう。このコマンドはメニューベースの設定画面を起動します。

root #cd /usr/src/linux
root #make menuconfig

Linuxカーネルの設定はとても多くのセクションを持っています。まず最初にいくつかの必須オプションを述べましょう(そうでない場合、Gentooは動作しない、もしくは追加の処置なしには正しく動作しません)。 Gentoo wikiのGentoo カーネルコンフィグレーションガイドには、さらに役立つ記述があるでしょう。

必須オプションを有効にする

システムのブートに必須となるドライバ(SCSIコントローラ等)は、モジュールではなく、カーネルの一部としてコンパイルしなければなりません。そうでないと、システムは全くブートできないでしょう。

次に正確なプロセッサタイプを選択します。このとき、もし使えるのであればMCE機能を有効にすることが推奨されます。これによりハードウェアの異常が通知されるようになるでしょう。いくつかのアーキテクチャ(x86_64)で、これらのエラーはdmesgでは確認できませんが、/dev/mcelogにログが残ります。この機能を有効にするためにapp-admin/mcelogパッケージが必要になります。

また、Maintain a devtmpfs file system to mount at /devを選択することで、必須となるデバイスファイルがブートプロセスの初期段階で使えるようになります (CONFIG_DEVTMPFSCONFIG_DEVTMPFS_MOUNT):

KERNEL devtmpfsサポートを有効にする
Device Drivers --->
  Generic Driver Options --->
    [*] Maintain a devtmpfs filesystem to mount at /dev
    [ ]   Automount devtmpfs at /dev, after the kernel mounted the rootfs

SCSI ディスクサポートが有効になっているか確認してください(CONFIG_BLK_DEV_SD):

KERNEL SCSIディスクサポートを有効にする
Device Drivers --->
   SCSI device support  --->
      <*> SCSI disk support

次にFile Systemsで、使用するファイルシステムに必要なサポートを選択しましょう。ルートファイルシステムに使われるファイルシステムをモジュールとしてコンパイルしてはいけません。モジュールにした場合、Gentooシステムはパーティションをマウントできないでしょう。また、ここでVirtual memory/proc file systemも選択してください。システムの必要に応じて以下の選択肢から1個以上を選択してください (CONFIG_EXT2_FS, CONFIG_EXT3_FS, CONFIG_EXT4_FS, CONFIG_MSDOS_FS, CONFIG_VFAT_FS, CONFIG_PROC_FS, and CONFIG_TMPFS):

KERNEL 必要なファイルシステムを選択する
File systems --->
  <*> Second extended fs support
  <*> The Extended 3 (ext3) filesystem
  <*> The Extended 4 (ext4) filesystem
  <*> Reiserfs support
  <*> JFS filesystem support
  <*> XFS filesystem support
  <*> Btrfs filesystem support
  DOS/FAT/NT Filesystems  --->
    <*> MSDOS fs support
    <*> VFAT (Windows-95) fs support
 
Pseudo Filesystems --->
    [*] /proc file system support
    [*] Tmpfs virtual memory file system support (former shm fs)

もしインターネットに接続するために、PPPoEもしくはダイヤルアップモデムを使う場合、次のオプションを有効にしてください (CONFIG_PPP, CONFIG_PPP_ASYNC, and CONFIG_PPP_SYNC_TTY):

KERNEL PPPoEに必要なドライバを選択する
Device Drivers --->
  Network device support --->
    <*> PPP (point-to-point protocol) support
    <*>   PPP support for async serial ports
    <*>   PPP support for sync tty ports

2つの圧縮オプションは選択しても差し支えありませんが、必須というわけでもありません。PPP over Ethernetオプションも同様です。これはカーネルモードのPPPoEをするために設定された時だけにpppによって使用されるものです。

カーネルにネットワークカード(イーサネットもしくはワイヤレス)のサポートを組み込むことを忘れてはいけません。

多くのシステムではマルチコアを使用できます。Symmetric multi-processing supportを有効にすることは重要です (CONFIG_SMP):

KERNEL SMPサポートを有効にする
Processor type and features  --->
  [*] Symmetric multi-processing support
注意
マルチコアシステムでは、それぞれのコアが1プロセッサとカウントされます。

USB接続の入力装置(キーボードやマウス)などのUSBデバイスを使用する場合、以下を必ず有効にしてください (CONFIG_HID_GENERIC and CONFIG_USB_HID, CONFIG_USB_SUPPORT, CONFIG_USB_XHCI_HCD, CONFIG_USB_EHCI_HCD, CONFIG_USB_OHCI_HCD):

KERNEL 入力装置のためにUSBサポートを有効にする
Device Drivers --->
  HID support  --->
    -*- HID bus support
    <*>   Generic HID driver
    [*]   Battery level reporting for HID devices
      USB HID support  --->
        <*> USB HID transport layer
  [*] USB support  --->
    <*>     xHCI HCD (USB 3.0) support
    <*>     EHCI HCD (USB 2.0) support
    <*>     OHCI HCD (USB 1.1) support


アーキテクチャに即したカーネルコンフィグ

以下のオプションもお勧めします:

KERNEL Alpha 向けの推奨オプション
General setup --->
  <*> SRM environment through procfs
  <*> Configure uac policy via sysctl
  
Plug and Play configuration --->
  <*> Plug and Play support
  <M>   ISA Plug and Play support
  
SCSI support --->
  SCSI low-level drivers --->
    <*> SYM53C8XX Version 2 SCSI support (NEW)
    <*> Qlogic ISP SCSI support
  
Network device support --->
  Ethernet (10 or 100 Mbit) --->
    <M> DECchip Tulip (dc21x4x) PCI support
    <M> Generic DECchip & DIGITAL EtherWORKS PCI/EISA
    <M> EtherExpressPro/100 support (eepro100)
    <M> EtherExpressPro/100 support (e100)
  Ethernet (1000 Mbit) --->
    <M> Alteon AceNIC
      [*] Omit support for old Tigon I
    <M> Broadcom Tigon3
  [*] FDDI driver support
  <M> Digital DEFEA and DEFPA
  <*> PPP support
    <*> PPP Deflate compression
  
Character devices --->
  [*] Support for console on serial port
  [*] Direct Rendering Manager
  
File systems --->
  <*> Kernel automounter version 4 support
  Network File Systems --->
    <*> NFS
      [*] NFSv3 client
      <*> NFS server
      [*] NFSv3 server
  Partition Types --->
    [*] Advanced partition selection
    [*] Alpha OSF partition support
  Native Language Support
    <*> NLS ISO 8859-1
  
Sound --->
  <M> Sound card support
    <M> OSS sound modules
      [*] Verbose initialisation
      [*] Persistent DMA buffers
      <M> 100% Sound Blaster compatibles

コンパイルおよびインストール

カーネルのコンフィグレーションが完了し、コンパイルとインストールをする時がきました。コンフィグレーションを終了させ、コンパイル作業を開始しましょう:

root #make && make modules_install
root #make boot
注意
make -jX とすることで、ビルドを並行処理させることができます( X には、並行処理を許可するビルドプロセスの数を指定します。 /etc/portage/make.conf の説明中の、 MAKEOPTS 変数についてと同様です。

カーネルのコンパイルが完了したら、カーネルのイメージを /boot/ コピーしましょう。最近のバージョンは、vmlinux.gz ではなく vmlinux を生成しているかもしれませんので、カーネルのイメージをコピーする際には気をつけてください。

root #cp arch/alpha/boot/vmlinux.gz /boot/



任意自由選択: initramfsのビルド

いくつかの特別なケースでinitramfs(起動時のRAMベースのファイルシステム)のビルドが必要になります。最もよくある理由は、重要なディレクトリ(/usr//var/等)が別パーティションにある場合です。initramfsがあれば、initramfsの中にあるツールを使うことで、これらのパーティションをマウントすることができます。

initramfsがないケースで、ファイルシステムをマウントするツールがそのファイルシステムの中にある情報を必要としている場合、大きなリスクを負うことになります。initramfsはカーネルブートの直後かつ制御がinitツールに移る前に必要なファイルをアーカイブに引き込みます。initramfsのスクリプトはシステムがブートを継続するために必要なパーティションを正しくマウントすることを保証します。

initramfsをインストールするために、最初にsys-kernel/genkernelをインストールしましょう。そしてinitramfsを生成します。

root #emerge --ask sys-kernel/genkernel
root #genkernel --install initramfs

LVMやRAID等の特別なサポートをinitramfsで有効にするために、genkernelに適切なオプションを与えてください。詳しい情報については、genkernel --helpを参照してください。次の例では、LVMとソフトウェアRAID (mdadm)を有効にしています。

root #genkernel --lvm --mdadm --install initramfs

initramfsは/boot/に保存されます。生成されるファイルは単純にinitramfsで始まります。

root #ls /boot/initramfs*

次はカーネルモジュールです。

別の方法: genkernelを使用する

もしマニュアル設定に気後れしてしまった場合、genkernelがお薦めです。genkernelは自動的にカーネルを設定、ビルドします。

genkernelはインストールCDのカーネルが自動的に設定されるのとほぼ同じ方法でカーネルを設定します。これはカーネルのビルドにgenkernelを使った場合、インストールCDと同じようにブート時にすべてのハードウェアを検出することを意味します。genkernelはいかなるカーネルのマニュアル設定も要求しないため、ユーザー自身のカーネルをコンパイルすることを好まないユーザには理想的なソリューションです。

では、genkernelの使い方を見てみましょう。最初にsys-kernel/genkernelをemergeします。

root #emerge --ask sys-kernel/genkernel

次に、/etc/fstabファイルを編集します。2番目のフィールドに/boot/を含む行は、その1番目のフィールドで正しいデバイス指定します。もしハンドブックのパーティショニング例の通りであれば、このデバイスはほぼ間違いなくext2ファイルシステムを持つ/dev/sda1でしょう。この場合、エントリは次のようになります。

root #nano -w /etc/fstab
FILE /etc/fstab/bootマウントポイントを設定する
/dev/sda1	/boot	ext2	defaults	0 2
注意
Gentooインストールでは、/etc/fstabはさらにもう一回編集されますが、/bootの設定はgenkernelアプリケーションがそれを読み込むために今必要です

genkernel allを実行してカーネルソースをコンパイルしましょう。ただ、genkernelはほとんどすべてのハードウェアをサポートするカーネルを生成するため、コンパイルが完了するまでにかなりの時間が必要になることに注意しましょう。

注意
もしブートパーティションがファイルシステムとしてext2もext3も使用していない場合、おそらく、genkernel --menuconfig allを使ってマニュアルでカーネルを設定し、カーネルにこの特別なファイルシステムを(モジュールではなく)組み込む必要があるでしょう。また、LVM2のユーザーはおそらく引数に--lvmを加えることになるでしょう。
root #genkernel all

genkernel完了後、カーネル、モジュール群、初期RAMディスク(initramfs)が生成されるでしょう。このドキュメントの後半でブートローダーを設定する際、このカーネルとinitrdを使うことになります。ブートローダーの設定に必要になるため、カーネルとinitrdの名前をメモしておきましょう。"真の"システムが起動する前に(インストールCDがするように)ハードウェアを自動的に検出しなければならないため、initrdはブート後すぐに起動します。

root #ls /boot/kernel* /boot/initramfs*

カーネルモジュール

モジュールの設定

Note
ハードウェアモジュールを手作業で列挙する必要はありません。ほとんどの場合、udev は接続を検出したハードウェアのモジュールを自動でロードします。ですが、自動で検出されるモジュールを列挙することは特に有害ではありません。時として変なハードウェアは、ドライバをロードするのにこうした手助けが必要になることがあります。

/etc/modules-load.d/*.confファイルに、自動的にロードしなければならないモジュールを改行区切りで記載してください。モジュールに追加のオプションを与える必要があれば、/etc/modprobe.d/*.confファイルで設定すべきです。

すべての利用可能なモジュールを把握するためには、次のfindコマンドを実行してください。"<kernel version>"をたった今コンパイルしたカーネルのバージョンで置き換えることを忘れないでください。

root #find /lib/modules/<kernel version>/ -type f -iname '*.o' -or -iname '*.ko' | less

たとえば、3c59x.koモジュール(特定の3Comネットワークカード)を自動的にロードするためには、/etc/modules-load.d/network.confにモジュール名を記載してください。実際のファイル名はローダにとって重要ではありません。

root #mkdir -p /etc/modules-load.d
root #nano -w /etc/modules-load.d/network.conf
FILE /etc/modules-load.d/network.conf強制的に3c59x モジュールをロードする
3c59x

では、システムの設定に進み、インストールを続けましょう。

任意自由選択: ファームウェアのインストール

いくつかのドライバは、動作可能にするために追加のファームウェアのインストールを必要とします。これはしばしばネットワークインターフェース、特に無線ネットワークで必要になります。さらに、AMD、NVidia、Intelなどのベンダによる最近のビデオチップをオープンソースドライバで利用する場合にも、よく外部のファームウェアが必要になります。ファームウェアの多くはsys-kernel/linux-firmwareにパッケージされています。

root #emerge --ask sys-kernel/linux-firmware